「肉体」と「気」の関係

西洋医学は「肉体の医療」で「手術と薬を出す」が中心の医療で歴史は浅いです。

 

一方、東洋医学は古典を参考に体系化されたもので、古くは4,000年以上の歴史があるといわれています。

 

西洋医学は、解剖学的あるいは科学的な証明を必要とするため、現代科学で証明できないものはなかなか受け付けてくれません。

 

各臓器の機能も解剖学と科学的根拠に従うため、東洋医学のような五臓六腑の機能の考え方とは異なります。

 

東洋医学では肝心脾肺腎といった五臓の機能は多岐にわたり、精神にまで影響を与えていると考えます。また、皮膚、筋、爪、耳、鼻、口といった各蔵が関係する身体の部分に五蔵が関係していると考えるため、西洋医学では診断できない不具合についても、東洋医学的には診断や治療が可能になります。

 

東洋医学では西洋医学のように熱が出たから熱を下げるといった単純な方法で人間の状態を診ません。人間が冷えを取るために熱を出しているのか、ただ熱が出ているのかを様々な方法を使って総合的に診断します。複雑な人間の身体の反応を一つの情報だけではなく、いくつもの方法で調べてゆきます。人間の体は複雑で、西洋医学的な単純な考え方だけでは、判定できない難しさがあるからです。

 

東洋医学では「本治」と言って病気の原因を取り除くため、体質を変えることで不調を改善してゆきます、永遠に薬を飲み続けなければならないということもなく、また、体の変化に合わせて養生法を変えることで、はじめにあった体の症状だけでなく、深く潜行していた身体の問題も最終的に解決することができるのです。

 

明治維新以降、日本は西洋医学中心の医療が行われてきました。しかし、今西洋医学だけに頼る弊害が目に見えてきたように感じられます。

 

 

これからの時代は東洋医学による治療を取り入れ、人生をより健康で充実したものにできるよう、自分の健康維持の方法についてより真剣に考えなければならない時代になってきたのだと思います。